(症状と、その改善方法)

乗り物恐怖はパニック障害の中でも、もっとも多く見られる症状になります。

急行や特急の電車、首都高での自動車、飛行機といった、すぐに降りられないような状況に置かれた時に、動悸や息苦しさ、めまいといったパニック発作の症状が起こるのが特徴になります。

ですから、外出恐怖や、広場恐怖、閉所恐怖、高所恐怖症の症状と重なる部分の多い症状ということになります。

なお、乗り物恐怖の場合は、トイレに行ったのにまた行きたくなるという頻尿恐怖と症状が同時に現れることも多いです。

特にトイレのついていない電車やバス、トイレにすぐに行けないような渋滞中の高速道路を走っている車の中などで、トイレの不安と重なる形で、パニック発作の症状が起こることも多いように思います。

ですから、各駅停車の電車とか、普通の国道を走っている車の中などでは、あまり乗り物恐怖の症状は起こらないものなのです。

ただ、乗り物恐怖の症状に対する予期不安のために、通学や通勤に支障が出て、学校や会社に行けなくなっている人も多いものなのです。

しかし、この乗り物恐怖の症状も、その根本原因は神経症から来ていますから、森田療法の考え方を身につけていく中で、症状に対する「とらわれ」が薄れてくることで、少しずつ改善してくるものなのです。

ただ、このためには、ある程度の時間が必要になってきます。

つまり、乗物酔いの薬や、精神安定剤といった薬を飲めば、これですぐに治るという単純なものではないと言えるのです。




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